校内居場所はじめの想い


稲美町の中学校で校内居場所を始めるにあたり、ゆるり家代表・濱田理恵に、ライター・いちのかなこさんがインタビュー!

代表の校内居場所にかける想いを、ぜひお読みください。

ーゆるり家が始めようとしている、校内居場所カフェって何ですか?

 学校の空き教室などを利用して、そのスペースで、友達や地域の人とおしゃべりしたり、本を読んだり、絵を描いたり、楽器を演奏したり、ゲームをしたり。何かをしてもいいし、しなくてもいい、誰もがいていい場所です。

 

―「校内居場所カフェ」初めて聞きました。全国でも取り組みがあるのですか?

 もともと、大阪、西成地区の高校で始まり、全国に広がっている取り組みです。学校を離れると、途端に相談先が見つけづらくなるという現状があります。支援の窓口で、ただ若者が相談にやって来るのを待っていても仕方がない。学校という所属を失う前の高校生のうちに、居場所スタッフとしてつながりを持ち、学校という場所で、信頼関係をつくっておく。卒業後も困ったときに帰れる場所として西成区で始まったそうです。

 

ー具体的には?どんな場所なんですか?

 稲美町の2つの中学校では、水曜日の放課後に図書館を利用して始めようと、話が進んでいます。予約はいりません。やらなければならないプログラムはありません。誰もがいていい場所です。学校内の子ども同士、学年・クラスを超えた関わりがうまれるかもしれません。

地域には様々な地域活動やボランティア活動をされている方々がたくさんいます。普段出会うことのない地域で暮らす様々な大人と出会う場になったらいいなと思います。時にはその関わりの中で、不安や気がかりな部分を発見したら、その子にとっての最善策を考えて、専門職へも繋いでいくこと。これが大きな役割だと思っています。学校を離れた後も、帰ってこれるような場にしたいですね。

 

ーなぜ中学校内で始めようと思ったのですか?

 子どもたちが学校と家以外の世界に触れる大切さを感じています。私自身、子ども時代、家と学校だけの目の前の世界が全てだと思っていました。大学時代、心理学を専攻し、フリースクールで勤め、今は塾をひらいています。自分の体験や、子どもとの関わりの中で、子どもにとって、家でもない、学校でもない、サードプレイスという場所が必要なのだと感じています。

 学校は、どの子どもにとってもいていい場所です。一番身近で一日のうち、長い時間過ごす場所です。その中で始めることで、社会には、いることが当たり前のように周りから思われているような場所だけではなくて、誰もがいてもいいし、いなくてもいい、そんな場所もあるんだな、とまず知ってもらうことですね。ゆるり家の活動の中でも、「場に来ていない子」が気になっています。ここを知らない子、来ていない子、です。ある特定の子が行くのではなく、誰もがいていいし、いなくてもいい。それが学校の中にあることの意味は大きいと思います。


ー稲美版校内居場所カフェ、初めての取り組み、応援しています。

 子どもたちの育ちはもちろんのこと、地域と学校との距離が近くなり、学校と保護者も含めて、地域まるごとで子どもたちを見守る稲美町になったらいいなと思っています。